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和服の描き方 その1
和服は現在でも着物や振袖、白無垢や巫女装束、またはフォーマルな場でも着られています。
そんな着物はイラストや漫画でも常に新しいキャラクターが登場するなどその人気は衰えることを知りません。
そんな和服ですが、いざ描こうとするとどう描いて良いかが分からず、迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
そこでこのカテゴリーでは和服を題材にして書いていきたいと思います。
日本の民族衣装
世界には多くの民族衣装が存在します。
その中で東アジア一帯では前開型(まえびらきがた)と言われる衣装形態が発達してきました。
前開型は布を前で合わせて帯で締めます。
モンゴルのデールや韓国の韓服などがあります。
和服は時代背景を考慮しよう
和服と一口に言っても時代時代で着用されている形状は異なっています。
当然と言えば当然のことですが、時代背景をよく分からずに描いてしまうと失敗の原因にもなります。
ですので、和服を描く前はその時代背景をしっかりと調べてから描く必要が出てきます。
着物のルーツは小袖
現代の着物はある意味で最終形態と言えます。
ですので、時代によって形状なども異なっているのです。
そして現代の着物は平安時代の小袖が元となったと言われいます。
小袖(こそで)
平安時代、小袖は公家などの貴族が装束を着る際に着用していた下着でした。それが時代を経ることによって江戸時代では身分に関わらず一般市民にも広く普及していったのです。
小袖はその名の通り袖口が小さいのが特徴です。
ちなみに袖口が縫われていないのを大袖(おおそで)と言います。
大袖は十二単(じゅうにひとえ)などを見ると分かりやすいですね。
この袖口が小さい小袖の特徴は現代の着物に引き継がれています。
小袖の構造
小袖は着物の元となっているので大きく異なるわけではありませんが、やはり現在の着物と異なっている部分もあります。
直線裁ちという方法で作られています。
小袖と着物の違い
衣紋を抜く、わけではない
現代の着物では女性の後ろの首元が空いています。
これを「衣紋を抜く」と言います。
小袖では男性も女性も首にくっついているので着物とは形が異なるので注意しましょう。
ちなみに女性の衣紋を抜くというのは江戸時代中期以降になります。
小袖は女性でも衣紋は抜きません。
帯の位置
帯の位置は着物では胸の下あたりにあるので上の方にあります。
しかし小袖の場合は腰の位置にあるので注意が必要です。
おはしょりがない
小袖は現代の着物と違い丈が短いので折り返して調整するおはしょりがありません。
逆に着物ではおはしょりを描く必要が出てきますので注意してください。
ちなみに「おはしょり」とは丈の長さを調節するために布を折り返すために出来るものです。
襟が帯の下に見える
着物はおはしょりで襟が隠れがちですが、小袖だと帯の下に襟が見えるようになりますので目立ちます。もちろん着物でも見えることはあります。
この点に注意して描いてみましょう。
まとめ
このように和服や着物のルーツである小袖について説明してきました。
和服には色んな種類や時代ごとに着方も変化していきます。
ぜひ、この時代の小袖も練習しておくとより衣服に関して理解が深まるでしょう。
次回はまた別の和服について書いていきます。