目次
AIの登場によって絵の世界はどう変わっていくのだろうか
考察シリーズ
AI、いわゆる人工知能の発達が進んでいますね。
人工知能とはコンピュータで人間の知能を再現しようとするもの。
これによって多くの知能的な労働がコンピュータに置き換わる可能性があります。
以前にAI研究分野の第一人者、レイ・カーツワイル氏も予言していますね。
AIは人間よりも賢くなると、それにAIは人間のように絵を描いたり創作活動が出来ると。
やはり我々絵描きとしてはこのAIがどの程度、イラストや漫画、アニメ業界について脅威になるのかを知りたいと思います。
今までは芸術の分野はAIでも苦手だろうと言われてきました。
なぜなら、コンピュータは規則正しい思考や行動は得意だが、新しいことを発想したり想像したりする分野の世界では役に立たないと思われてきたからです。
だけどそれは本当でしょうか?
実はAIも多くの絵を描いているんです。2016年には人工知能がレンブラントの新作を描いています。
マイクロソフトとオランダの金融機関、レンブラント博物館、工科大学などの共同研究のことです。
ディープラーニングで学習させて3Dプリンターを用いてレンブラントの絵を作成。
人工知能が絵を描いたんですね。
レンブラントの光と影の使い方、そして筆のタッチまでも再現しました。
なんと人工知能が絵を自分で考えて再現してしまったんです。
fotogenerator
De kennisによって作成されたWEBサービスです。
線画を左側に書くと人物画のように描かれるのです。
PaintsChainer(ペイントチェイナー)
このブログでもいくつか書きましたが、線画に自動着彩してくれるWEBサービス。
最近ではゼロから作成している研究もあるそうです。
おそらくそのうちキーワードを指定するだけで好みの絵柄でイラストを作成するAIが出てきても不思議ではありません。
むしろ、このまま出てこないほうが不自然だと思います。
AIが進化すればイラストを作成する世界も様変わりする。
漫画のアシスタントもAIになるかも知れません。
今では漫画の背景も一から手描きではなく3DCG素材を使っている人もいます。
そこから線画を書き出してトーンなどを貼っているわけだから、それだってAIならすぐにできてしまうでしょう。
おそらく作者の画風にも合わせることも可能だと思います。
では、その場合クリエイターは苦手な部分を任せられるのかと言うと。
当然苦手な部分も任せられると思いますが、おそらく得意な部分も任せられると思います。
例えば女性キャラクターを描く人だっておそらくAIが学習してしまえばそのように作成することが出来るようになると思います。
画風も体格もポーズもあたかもゲームのキャラクターメイキングをしているくらい簡単なことになるはずです。
むしろ近い将来そういう創作系のオンラインアシスタントサービスみたいなのが出てくると思います。
絵柄も色々な作家さんのデータが蓄積されていて指定するだけでその人が描いたように絵を作成することも出来るようになるでしょう。
月額500円くらいで某有名なペイントソフトを開発している会社とかが提供しそうです。
そうなった場合、イラストレーターなどのクリエイターはどうなっていくのか、ちょっと気になりますね。
中には仕事を奪われてしまうなんて考える人が出てきてもおかしくはありません。
実際にそんなサービスが出てきたらほとんどの創造性の低い人たちは初めに姿を消すかもしれません。
例えば線画の下塗りや簡単な影付けなどを担当している人は必要なくなる可能性が大です。
そんな人を雇う費用があるなら某有名ペイントソフトが提供するAIのサービスを受けたほうが速いし安上がりでしょう。
つまり今までデザイン的なことはせず、ただ指示を受けて作成してきたようなオペレーターの仕事はなくなるのだと想像します。
では、創造性ある人たちは生き残れるのでしょうか?
おそらく生き残れるのでは、と僕は思います。
昔は風景は画家が風景画として残していました。
しかし、今は風景の場合は正確に再現できる写真が使われることが多いですよね。
そして今は画家よりも写真が多用される時代です。
これはイラストにも当てはまると思います。
これからはイラストは誰でも一定以上のクオリティのものは瞬時に作成することが出来るのです。
しかし、今でもプロの写真家がいるようにそういう瞬時にイラストが作成できる時代においてもやはりのそ道のプロは存在するし、必要とされる人材だと思います。
つまり、そういう新しい道をどんどん活用していけるか、新しいクリエイターもそういうところから出てくると僕は思っています。
では、AIを使わずに描いていた人たちはどうなるのか?
いままで通り描いていたイラストレーターはどうなるのでしょうか?
やはりすべてがAIに置き換わるのでしょうか?
僕はむしろ逆だと思います。
従来通りの描き方で仕上げたほうが希少性はどうしても上がるでしょう。
それにデジタルでなく1点物のアナログならその価値は下がることはないと思います。
つまり、AIが出てきてから生き残れる人は自分の道をしっかり持っている人ということになると思います。
そして、淘汰される人はオペレーターのようなただ指示されて作成していたような人たちはおそらく仕事を失うことになる可能性が出てくるでしょう。
ここでひとつコストについて紹介したいと思います。
AIに代参されるかはそのコストがどの程度かかるかによる、ということです。
つまり導入コストが人件費よりコストがかかるならAIによる代参は、起こりにくいということです。
つまりAIによる代参が高くつく場合、まだまだ安心だということです。
それ以上に安く働けば仕事は奪われないという考え方です。
しかし、ある会社がオンラインアシスタントサービスを月額500円で提供したらそれはすぐに瓦解することになるでしょう。
AI専用のデザイナー職が出てくる可能性
これがおそらくかなり高いと思います。
AIといえども道具の一つと言う考え方です。
つまりその道具を扱うプロフェッショナルが出てくる。
新しいツールを扱う人たちのことです。
これはまた別の職業にはなると思いますが、今のオペレーター的仕事をしていた人たちはこちらに流れざるを得なくなるのではないかと思います。
例えばクライアントのイメージを的確に読み取り、その通りの絵をAIによって作成したり、自分からアイディアを提供する人たちのことです。
もはや絵描きとは言えないかも知れませんが、立派な確立された職業になるでしょう。
それさえもAIがやるようになったら絵だけではなく他もAI化されている世界になると思うので、生活のことは心配する必要は無くなると思います。
AIが発展すれば芸術が進化する!?
AIが究極に発展すれば人々は労働から解放されるかも知れません。
そうなれば今までやりたくても出来なかったことを自由にそして好きなように学んだり創作したりする世界がやってくるのではないかと思います。
つまりベーシックインカムで生活費のすべてが賄われるということです。
AIが食料を生産し、身の回りのサービスをすべてやってくれる。
人間はそのサービスを享受するだけです。
そして働きたい人は働けばいいという世界。
おそらくそう遠くない時代にそれが実現すると僕は思っています。
そしたら創作活動は今以上の盛り上がりを見せるでしょう。
今まで労働に縛られた人たちが自由に活動できるのですからそうなってもおかしくはありません。
それに中にはAIに頼らず自分で描きたいというニーズがかならずあると思います。
それは、AIには勝てないかもしれないけど、職業ではなく趣味として楽しむ人たちにことです。
つまり、イラストなどの絵を描くという行為は生きるうえで生きがいとなるような必要なものという風に別に進化していくのではないかと思います。
いかがでしたでしょうか?
このようにAIについて考えてみましたが、これは僕個人の意見なのでこうなるというわけではないかも知れません。
しかし、新しい技術が登場するならばそれを知って自分なりの仮説を立てることはこれからAIがやってくる時代においても必要になってくると思います。
ぜひみなさんもAIについて考えてみてくださいね。